《寄稿No.19》「鷺沢文香というアイドル・N+」
はじめに
どうも、一途な文香Pです。
二回目となる今回は、プロデューサーにスカウトされた文香が衣装を身に纏いアイドルとしての一歩を踏み出すN+についての紹介です。
(※この記事はアイドルマスターシンデレラガールズのN+について述べた物であり、後出のカードやデレステから得られる情報とは齟齬があるかもしれないことを予めご了承ください)
「…すみません…まだ衣装に慣れていないので…お恥ずかしい」(お仕事)
記念すべき文香の初衣装は、のちにぷちデレラ衣装として登場した際に名前が判明した"ブックメイトクワイエット"。
他に類を見ない薄色をベースとした衣装ですが、鮮やかな青と白を差し色にして金の装飾をあしらった上品な仕上がりとなっています。
ドレス部分は特徴的なプリーツで装丁された書のページを表現しており、アクセサリーも栞を思わせるカチューシャや羽ペンと思しき胸飾りなど書に関連したものをモチーフとしています。
頭の頂から爪先に至るまで書をイメージして作られた、書の申し子である文香のデビューを飾るのに相応しい衣装と言えるでしょう。
またあまり気を使われていなかった髪も整えられ、その前髪の奥に隠れていた青く美しい瞳が露わになったことでがらりと印象が変わりました。
「…あの…プロデューサーさんって…本当にプロデューサーだったんですね。…すみません、言葉がおかしくて。実感はないのですが…アイドルになったからには頑張ってお話してみようかと思って…」(特訓時)
その劇的な変貌に一番驚いているのは他ならぬ文香自身のようで、言葉を選びかねながらも大きく感動している様子が伝わってきます。
そしてアイドルに相応しい衣装を身に纏ったことでその心境にも少なからず変化が生じたらしく、特訓前にあれだけ苦手だと言っていた人と接することにも前向きな姿勢を見せるようになります。
「…まだまだ新米のアイドルですけれども…私、せめて顔を上げて…こうして…目を見てお話できるように頑張ります」(親愛度MAX演出)
「…せめて、顔くらい俯かずにいようかと思いまして…努力を」(マイスタジオ)
さてこの衣装、一見すると"鷺沢文香=書をモチーフとした衣装"という単純な図式に思えますが、実はそうではありません。
それというのも文香自身は特訓前のカードのセリフで「書の世界から踏み出す」ことを望んでいたからです。
物心ついた時から書の世界に閉じ籠っていた文香が飛び込んだアイドルという未知の世界。
そこで待っていた初めての衣装が"ブックメイトクワイエット(静かな書の輩)"であったことは、彼女にとって意表を突かれる思いだったことでしょう。
あるいはもっと垢抜けた煌びやかな衣装を用意することもプロデューサーには出来たはずです。
けれどそうしなかったのは、おそらく文香だけが持つ魅力を損なわないようにするためだったのではないでしょうか。
文香だけが持つ魅力、すなわち書とともに生きる中で培われた彼女の世界。
それは捨てるべきでも隠すべきでもない大切なものであり、アイドルとしての確固たる足場になるものだと示す意図がこの衣装からは感じられます。
「…まだアイドルはよくわかりませんが、自信はついてきました」(親愛度UP)
カードのテキストという形式ではごく限られた情報しか記載できないためか、他のアイドルたちは初登場時から存分に活躍しているケースがほとんどです。
しかし文香はその性格ゆえに戸惑いながら手探りでアイドルになっていく様子が丁寧に描写されており、そのことが却って特別な門出をともに歩んでいる感覚を得る助けとなっています。
現在の文香はプロデューサーとの距離が近いアイドルとして知られていますが、初めて登場した時から既にその下地はあったようです。
「…出会いは大切ですね。書も、プロデューサーさんも…同じです」(お仕事・親愛度MAX)
数多の可能性の中からプロデューサーの選んだ衣装が最良のものだったかどうかは誰にも分かりません。
しかし衣装を受け取った文香に大切な出会いと言ってもらえたなら、それが一つの正解だったことは間違いないでしょう。
かくして誰にも知られることなく埃を被っていた鷺沢文香という書は、遂に日の目を見ることとなったのです。
第三回「鷺沢文香というアイドル・閑話1」につづく
TIPS:文香
文香というのは古風な字面に柔らかな音を持つ、とても美しい名前だと思います。
文の香りという字面をそのまま受け取るなら文字を書くために使うインクや紙の匂い、あるいはそれらが長い年月をかけて変化した古書の匂いといったところでしょうか。
ちなみに主に和紙と香木で作られ手紙に添えて封筒に入れる匂い袋のことを文香(ふみこう)と言います。
また文香のモデルの一人とされる『ビブリア古書堂の事件手帖』の登場人物・篠川栞子の妹は文香(あやか)という名前です。
Writer:初期頭P(@firsthead_P)
鷺沢文香P。イラストを描いたり漫画を描いたり。
寄稿の募集について
http://imas-cg.net/2017/11/24/52499323.html
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《寄稿No.19》「鷺沢文香というアイドル・N+」のコメント一覧
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- 2018年01月04日 19:34 ID: FhyjFBau0
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文香Pはやっぱり文章がうまいな
すげえ読ませる文章ですごい
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- 2018年01月04日 19:56 ID: Zz4jkoDf0
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顔文字さん今期も仕事多いみたいでしゅごい…
個人的に目が綺麗だと思うアイドルNo1
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- 2018年01月04日 19:59 ID: WhAJEvp60
- 見た目似てるのが全アニメ見てもいないからレジェンド感はあるよね
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- 2018年01月04日 20:09 ID: vRSgpwCz0
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続き楽しみにしてた
相変わらず読み応えがあって面白い
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- 2018年01月04日 20:12 ID: tL3gijcT0
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N+だけでここまで話広げられるのか...凄い
「SRもらえないからダイマ出来ない〜」って駄々こねてる不人気Pも見習えよ
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- 2018年01月04日 20:29 ID: tL3gijcT0
- って日々是(へったくそな漫画)描いてるのもこの人なんかーい
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- 2018年01月04日 20:56 ID: 8SRLfZXA0
- おーぷんとかここでの知名度に反してツイッターのフォロワー数少なくない?
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- 2018年01月04日 21:13 ID: wQTvWzL70
- 最初は幽霊みたいと思っていたけど、特訓後の瞳を見た瞬間の衝撃は絶対忘れない。
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- 2018年01月04日 22:24 ID: LXPOYJSQ0
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そうだったのか
実写化の際には剛力がやるだろうな
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- 2018年01月04日 22:48 ID: e7QBywN10
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※9
猫おじさんの出てくる韓流ドラマなんてなかった。
いいね?
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- 2018年01月04日 23:24 ID: rFTkdSJ.0
- 誰だよ
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- 2018年01月04日 23:35 ID: 4vYT5pN10
- いいですね
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- 2018年01月05日 02:00 ID: m758Kwhl0
- ほんと好きなんだな、俺も夕美の事こんな風に語れたらなぁ。
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- 2018年01月05日 23:11 ID: jpKw0XD.0
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※7
おーぷんモバマススレやここでの知名度なんて言うほど無いし所詮内輪レベルなんだからツイッター上では大したことある訳がない
おーぷんで見かけてツイッター上でもフォロワー数多い人は単純にツイッター上でダイマが上手かったり絵や漫画の確かな実力が評価されてたりトークが面白かったりするから増えたのであっておーぷんで見たからあの数になったとかでは無い
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- 2018年01月06日 00:47 ID: fmwtmrrN0
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他人の功績でマウントニキはこんな明確に個人の仕事だと
分かる記事ですらスネ夫イズム発症するんやな···
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- 2018年01月06日 08:52 ID: MGHFqwcb0
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文香Pはやっぱり文章がうまいなで草
そこまでいくと自演を疑う
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- 2018年01月06日 15:51 ID: GmVlsxLJ0
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愛がある文章出る好き。
さすが一途な文香Pやでぇ…。
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